老後2,000万円問題を解決する合理的で唯一の方法

結論から言うとNISAやiDeCo制度を活用した投資による積極的な資産形成一択

これは私のような中小企業勤め戦士には必須だと考えています。

大企業に比べると額面給与も低く、福利厚生(住宅手当、家族手当他)も劣るので実質的な手取り額にはかなりの差があります。後で詳しく述べますが、頼りの退職金も概ね半額程度しかありません。

毎日の生活もギリギリ、なんとか捻出して貯金しても定年までに2,000万円ためる自信はありますか?

我々中小企業勤め戦士が行うべきは

  • 本業の仕事を頑張って昇給する(本業の収入アップ)
  • 本業以外の収入源を持つ(副業)
  • 家計の見直し、支出の削減
  • 万が一に備えた当面の生活費を貯蓄(生活防衛資金と呼びます)
  • 投資による資産形成

この5つだと考えています。

老後2,000万円問題を解決する手段として『投資による資産形成』、それを着実に、効率的に進めるために上の4点を進めるということになります。

そして資産形成には運用で得た利益に税金がかからない現行NISAやiDeCo制度を活用します。

通常、株式投資や投資信託などの投資で得た利益には20.315%の税金がかかります。

それが非課税になるのは大きいですね。

日本国
日本国

非課税にしてあげるから積極的に投資して老後の資産を築いてね(年金は当てにしないでね)

というメッセージだと理解すべきでしょう。

もちろん大企業戦士も後述の退職金減額やまさかのリストラ、働き方の多様化や終身雇用制度の崩壊もあります。勤め先に依存しないためにも我々同様進めていくべきです。

そもそも老後2,000万円問題とは

老後2,000万円問題とは、金融庁の報告書において「老後の30年間で約2,000万円が不足する」と発表されたことがきっかけで議論が巻き起こった、老後の資産形成に関する問題です。

老後2,000万円問題の試算におけるモデルケース
1.夫が65歳以上、妻が60歳以上の夫婦のみの無職世帯
2.夫が95歳、妻が90歳になるまでの30年間は夫婦とも健康である
3.毎月約5万5,000円が赤字になる

このモデルケースに当てはめると老後の30年間で約2,000万円が不足するとされています。

このモデルケースにはツッコミどころ満載な気もしますが、これにより老後の資産形成についての注目が集まったのは事実です。

貯金などの資産がどの程度あるか?そもそも何歳まで健康に生きられるか?

各人、各家庭により事情は様々なので、2,000万円も必要ない、あるいは2,000万円でも全然足りない場合もあるでしょう。

2,000万円という数字はともかく資産形成は必要

夫が95歳、妻が90歳になるまで30年間夫婦とも健康に生きるという試算は少し大げさな気もしますが、

日本人の平均寿命が年々伸びているのは事実です。まさに人生100年時代ということ。

私は40代ですが、年金をもらう20数年後には支給開始年齢は今よりも引き上げられ、物価が上昇しているのに支給額は下げられる未来が容易に想像できます。

年金だけで毎月の生活費が賄えない場合は当然貯金等の資産を切り崩していくことになるので、我々凡人にはやはり老後への備え、すなわち資産形成は必要になります。

もはや当てにできない退職金

大手企業の退職金は

大学卒 2,230万4,000円
高校卒 2,017万6,000円

厚生労働省(中央労働委員会)「令和3年賃金事情等総合調査」調べ

中小企業の退職金は

大学卒1,118万9,000円
高校卒1,031万4,000円

東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」調べ

これは東京都の中小企業の値なので地方ではさらに低いでしょう。もちろん退職金制度自体がない企業もあります。

私の勤め先の場合、就業規則によるとせいぜい500万円くらいでした。皆さんも就業規則や会社に確認して自分がいくら退職金をもらえるか把握しておきましょう!

一般社団法人日本経済団体連合会がまとめた「退職金・年金に関する実態調査結果」によれば、大卒で入社し60歳で定年退職した場合の退職金の額の平均額は、2002年9月時点では2512万円だったのに対し、2021年9月時点では2,243万円にまで減っています。

退職金自体も減額傾向にあるようですし、そもそもフリーランスや非正規雇用の方は退職金がありません。

大企業勤めならなんとか2,000万円問題は退職金でクリアできそうですが、20年後は2,000万円を切りそうな気配です。

我々中小企業勤め戦士は残念ながらそういうわけにはいきません。

退職金など無いものと思って現役のうちからコツコツと資産を積み上げていくしかありません。

投資はギャンブル?まずは正しく理解するところから

日銀が発表した2021年3月末現在の、日本と米国の金融資産を比較したデータでは、

日本米国
現金・預金54.3%13.3%
株式・投資信託14.3%51.0%

日本と米国では、現金・預金と株式・投資信託が見事に逆転しています。

日本では「お金は真面目に働いて手に入れるもの、コツコツと貯めるもの」という意識が根付き、

投資というものに対して嫌悪感すら感じられます。

社会保障が充実した日本では投資をしなくても、真面目に働いていれば何かあっても国が面倒を見てくれる、というある意味で恵まれた環境があったことも大きいでしょう。

一方で欧米では老後の資金は自分で運用して築くという意識が強く、それが投資が根付いている要因になっているのかもしれません。
銀行の預金金利は0.02%。現金で持っていればインフレで貨幣価値は目減りする。

つまり銀行預金を持っているということは金利0.02%で銀行に投資している、現金で持つということはマイナス金利の日本円に投資をしているということです。

銀行が倒産しても1,000万円まで保護される預金はまだマシ、現金はインフレによって毎年数%ずつ元本割れしていくんですよ?

銀行預金もインフレ率が銀行預金金利を上回れば元本割れしていきます。

投資を敬遠する人は必ずと言っていいほど『元本が保証されない』ことを理由に挙げます。

預金も現金も、実質的には元本が減り続けていっているのだ、ということを理解しましょう。

わからないこと、理解できないことを闇雲に恐れるのではなく、

知ろうとすることで、正しく理解することで今という瞬間から未来を豊かにしてくことができます。

まずはゆっくりでも良いので投資というものを理解していきましょう。

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